本研究は,養育者の目標志向性に注目した子育て支援のあり方を検討するための基礎的知見を提供することを目的とした。まず,養育者の子育て目標志向性尺度を作成し,続いて母親の目標志向性と,育児不安,育児充実感,主観的幸福感の関係を検討した。結果,目標志向性を2 因子構造(マスタリー目標志向,遂行目標志向)で解釈可能であることが明らかとなった。また,マスタリー目標志向が高い養育者は,育児不安が低くなることが示され,遂行目標志向が高い養育者は,育児不安が高くなることが示された。更に育児充実感では,マスタリー目標志向の高い養育者は,育児充実感が高くなることが示された。
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