かつての農村社会における地域資源の有機的活用に注目し, 領域や条件が特定しやすい福岡県新宮町相島地区を事例に調査・分析を行った。その結果, かつては農耕地が多く, 比較的多数の居住人口を有したが, 漁業不振による急激な過疎化等により, 農地の森林化が生じていた。本地区における適当な収容能を算定するために農用地・樹林地面積から潜在的な食糧生産力及びバイオマス生産力を検討した結果, 最大1239人分の潜在力があると考察された。具体的な計画案として人口625人での土地利用計画と, さらに太陽光・風力発電等のシステム導入を仮定し, 現在の生活水準を維持しながら地域資源の保全と活用を両立させた生活モデルを提案した。
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