深田 亮, 今井 正太郎, 古川 誠一郎, 稲垣 武, 天田 裕子, 浅野 由美, 笹原 資太郎, 村田 淳
会議録・要旨集
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【目的】脊髄損傷者は麻痺に続発する様々な二次障害を併発し,その中で最も頻度が高いものは褥瘡である。褥瘡予防に対する患者教育の報告は多数あるが,褥瘡予防・管理ガイドライン(2009)では患者教育の十分な根拠と方法論は明確に示されていない。今回,療養日誌を通した患者教育を行い,創部癒合に繋がった症例を経験したので報告する。【症例提示】28歳。女性。診断名:右坐骨部褥瘡。病歴:既往に統合失調症と非定型精神病があり,X-9年とX-7年に2度飛び降りにより脊髄損傷(T12-L1)受傷。以後,仙骨・坐骨・踵に褥瘡が出現・治癒に至る。X年6月頃より右坐骨部の褥瘡が出現。同年8月13日に単純縫縮術施行。8月15日から理学療法開始。初期評価:OHスケール:1.5点。T12以下完全対麻痺。筋力は上肢MMT4,体幹MMT2。起居動作は寝返り軽介助。その他未実施。ADLは食事・整容以外全介助。入院前生活:車いす生活者として自立し就労もしていた。褥瘡発生要因:高低差の移乗方法の未確立と社会生活上の除圧不足。【経過と考察】術後,動作練習や除圧指導等行い,8月25日に自宅退院(創部離開あり),当部外来フォロー開始。9月8日に家屋調査を実施,褥瘡予防の意識向上と実際の生活場面の問題点の自覚を促すために療養日誌を開始した。その結果,今までの基本的動作の粗雑さの把握,医療者側の助言も受け入れやすくなった。また,褥瘡発生要因だけでなく入浴方法などのヒヤリ・ハットを本症例自身で抽出し,能動的に解決策を模索できるようになり,医療者側も目標を確認出来ることで時期を逃さず患者教育を行えるようになり10月8日に創部癒合に至る。療養日誌のメリットとして,問題点に対する具体的な目標や行動計画の明確化を患者自身で行える事などが挙げられる。脊髄損傷患者は高頻度に褥瘡を繰り返すため褥瘡予防をはかる方略は重要である。その方略の一つとして今回の療養日誌の導入は一定の効果を出したと考える。
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稲垣 武, 寺田 二郎, 田邉 信宏, 川田 奈緒子, 天田 裕子, 笠井 大, 杉浦 寿彦, 浅野 由美, 坂尾 誠一郎, 巽 浩一郎, 村田 淳
会議録・要旨集
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【はじめに,目的】
肺動脈性肺高血圧症(PAH),慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)をはじめとする肺高血圧症(PH)は,肺血管抵抗が上昇し,右心不全に至る希少性難治性疾患である。これまで,PH患者に対する呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)は,失神や心不全増悪,突然死などが危惧される事から,積極的には推奨されてこなかった。しかし近年,欧州を中心にPH患者に対する運動療法の効果に関する報告が散見され,運動耐容能,健康関連QOLなどの改善効果が認められている。一方で,本邦におけるPH患者に対する呼吸リハの報告は少なく,本邦におけるエビデンスの蓄積,本邦でも実施可能な方法論の確立が急務である。今回,3ヶ月以上治療を変更していない安定期PH患者に対して外来呼吸リハを施行し,その効果・安全性について検討した。
【方法】
対象は,2012年3月から現在までに当科外来で呼吸リハを受けたPH患者女性11例(CTEPH9例,PAH2例,年齢64.1±10.9歳,身長157.5±5.6cm,体重58.6±12.8kg,平均肺動脈圧46.8±16.1mmHg)。呼吸リハプログラムは,筋力増強運動,呼吸体操,歩行運動によって構成される在宅での自主トレーニング(Home-ex)を主体とし,1回/週程度当科外来を受診してもらい,Home-exの負荷量調整,ADL指導,患者教育などを実施した。評価項目は,6分間歩行距離(6MWD),大腿四頭筋筋力(QF),健康関連QOL(St George’s Respiratory Questionnaire;SGRQ),息切れ(Baseline dyspnea index;BDI,Transition dyspnea index;TDI),ADLスコア,呼吸機能,身体活動量,心エコー(三尖弁圧較差;TRPG,推定収縮期肺動脈圧;sPAP),血液データ(BNP)などとし,3ヶ月間の呼吸リハ前後の変化についてWilcoxon符号付き順位和検定を用いて検討した。
【結果】
全例が完遂し,6MWD(p=0.002),QF(p=0.006),SGRQのACTIVITYの項目(p=0.002),身体活動量(p=0.008),息切れ(TDI)で有意な改善を認めた。また,TRPG(p=0.76),sPAP(p=0.96),BNP(p=0.70)は有意な変化を認めなかった。運動療法実施中,1例のみ血圧低下を生じたが,休憩にて改善が得られた。その他心不全など,呼吸リハに伴う有害事象を認めなかった。
【結論】
安定期PH患者に対する外来呼吸リハは,運動耐容能,健康関連QOL,身体活動量などへの改善効果が期待できる。安全に呼吸リハを行うためには,心不全に準じたリスク管理,慎重な症例選択が重要である。今後も症例の蓄積,方法論の確立,疾患特異的アプローチの検討などが望まれる。
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稲垣 武
呼吸理学療法学
2024年
4 巻
Supplement 号
45
発行日: 2024年
公開日: 2024/12/19
ジャーナル
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坂本 和則, 山中 義崇, 古川 誠一郎, 稲垣 武, 黒岩 良太, 天田 裕子, 松谷 智郎, 岩立 康男, 佐伯 直勝, 村田 淳
会議録・要旨集
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【はじめに,目的】脳腫瘍摘出に際して機能温存を目的に覚醒下手術を実施するケースが増加している。今回,感覚野あるいは上肢関連運動野近傍における膠芽腫において,覚醒下手術を施行し,術後下肢麻痺を生じたが,最終的に自立歩行まで回復した2症例を経験したので報告する。【方法】症例1は右感覚野膠芽腫の30歳男性。術前の神経学的異常所見は上肢感覚障害が主であった。腫瘍深部(内包近傍)の術操作中に左下肢麻痺が出現したため,わずかに腫瘍を残して摘出術終了。術翌日の評価で左下肢麻痺(MMT1-2),痙縮,深部感覚障害,座位保持困難を認めた。術後7週において,股・膝関節筋力はMMT4まで改善したが,足部痙縮,深部感覚障害は改善しなかった。所見から金属支柱付き短下肢装具が妥当と考えたが,症状は緩徐に改善傾向であり,放射線化学療法による腫瘍制御も良好とされ,自宅内での装具着脱を容易にするメリットが大きいと考え,プラスチック短下肢装具を作成した。症例2は左運動野膠芽腫の58歳男性。術前は上肢優位の錐体路障害(近位筋筋力低下)を認め,歩行はわずかにぶん回し様歩行を呈していた。運動野深部内側の術操作中に右下肢麻痺が出現,同様に摘出操作を終了。術翌日の評価では遠位筋優位の右下肢麻痺(MMT0-2)を認めた。術後4週まで下肢筋力は改善せず,プラスチック短下肢装具の適応を考えた。しかし術後5週から下肢筋力が徐々に改善,後療法による腫瘍制御も良好であるため,装具作成せず当院備品装具にて理学療法を継続したところ,術後8週には右下肢MMT4-5レベルまで改善した。復職にむけて持久力の回復が達成できていないため,軟性装具が処方された。【結果】症例1の理学療法は痙縮筋へのストレッチやバランス機能練習,早期からの装具歩行練習等を実施した。装具採型後,下肢筋力はMMT4以上には改善せず,足部痙縮も増悪したが,短下肢装具の修正を行い自立歩行を獲得し,術後13週にて自宅退院となった。症例2の理学療法は通常の運動療法に加え電気刺激療法やペダリング運動などを実施した。術後9週にて自宅内は装具なし歩行自立となり自宅退院した。【結論】歩行自立を達成した要因として,下肢関連運動野に局在する腫瘍は摘出されていなかったことが挙げられる。本症例における下肢麻痺は後療法中に経時的に改善したことから,手術操作に伴う浮腫や還流障害等が原因である一時的な症状と推察される。一般に覚醒下手術において,麻痺等の異常所見が出現した際には,それ以上の手術操作は重篤な後遺障害を引き起こすとされている。一方で,浮腫や還流障害が原因であれば,時間はかかるかもしれないが症状が改善する可能性が残される。本症例から,覚醒下手術中に,適切な神経学的評価により摘出操作を終了した場合は,神経症状が経過中に改善し,症状に適合する装具が劇的に変化することを念頭に置いて理学療法を進めていく必要性が示唆された。
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永見 啓応
数学
1954年
6 巻
2 号
94-97
発行日: 1954/10/15
公開日: 2008/12/25
ジャーナル
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森田 伸子
教育哲学研究
2007年
2007 巻
96 号
148-170
発行日: 2007/11/10
公開日: 2009/09/04
ジャーナル
フリー
情報知識学会誌
2020年
30 巻
2 号
153-154
発行日: 2020/05/23
公開日: 2020/06/26
ジャーナル
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金子 嘉志, 前川 信也, 岡田 能幸, 小堀 豪, 前川 正信, 大森 孝平, 西村 一男
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
329-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
フリー
鈴木 淳史, 田中 美江, 児玉 芳季, 藤井 令央奈, 新谷 寧世, 稲垣 武, 柑本 康夫, 平野 敦之, 新家 俊明
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
329-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
フリー
桐山 功, 富田 祐司, 木全 亮二, 松沢 一郎, 鈴木 康友, 濱崎 務, 近藤 幸尋, 木村 剛, 吉田 和弘, 西村 泰司
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
329-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
フリー
三賢 訓久, 喜多 かおる, 蓮見 壽史, 北見 一夫, 広川 信
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
329-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
フリー
田畑 龍治, 鈴木 誠, 田嶋 健一, 冨田 京一, 武内 巧, 高橋 悟, 太田 信隆, 本間 之夫, 北村 唯一, 國士 典宏
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
306-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
フリー
児玉 芳季, 平野 敦之, 稲垣 武, 相本 康夫, 新谷 寧世, 藤井 令央奈, 田中 美江, 萩野 恵三, 鈴木 淳史, 新家 俊明
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
306-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
フリー
犬塚 善博, 栗木 修, 傍島 健, 橋本 好正, 弓場 宏, 古橋 憲一, 大島 伸一
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
306-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
フリー
沼畑 健司, 斎藤 誠一, 徳山 聡, 伊藤 明宏, 青木 大志, 三塚 浩二, 萩沢 茂, 佐藤 信, 荒井 陽一
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
306-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
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中川 徹, 高上 洋一, 峯石 真, 田野崎 隆二, 牧本 敦, 上 昌広, 金 成元, 堀 明子, 岡島 英二郎, 川島 清隆, 松岡 直樹, 藤元 博行, 垣添 忠生
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
300-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
ジャーナル
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稲垣 武, 児玉 芳季, 田中 美江, 藤井 令央奈, 新谷 寧世, 相本 康夫, 鈴木 淳史, 平野 敦之, 新家 俊明
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
300-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
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尾本 和也, 江藤 正俊, 徳田 倫章, 古賀 寛史, 田中 正利, 内藤 誠二
日本泌尿器科学会雑誌
2003年
94 巻
2 号
300-
発行日: 2003/02/15
公開日: 2017/04/07
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