近年,山岳宗教に関する研究の進展は顕著であるが,筆者は山岳宗教が聖域圈,準聖域圏,信仰圏からなる圏構造を有するという地理学的視点から,出羽三山を対象地域として考察を進めた.
本稿においては,分析の中心を準聖域圏に置き,特にその核をなす山岳宗教集落について考察した.出羽三山には「八方七口」と称される7ヵ所の山岳宗教集落が存在する.まず,従来あまり問題にされなかった集落の起源について分析し,集落の成立時期から「近世再編型」と「近世成立型」に分類し,さらに両者に讃灘勲誌響藩翻町膿塾醗懲糠蒲諜欝講課在することが明らかになった.この集落の成立時期を指標とする類型は,日本各地の山岳宗教集落にも適用しうると考えられる.
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