室町幕府の行事・儀礼に関する故実書は、一五世紀後半から一六世紀にかけて、先例が書写されたり著されたものが多い。本稿ではそのことの意味を、当時の政治状況などとからめて考察した。また応仁の乱以前と以後との幕府行事の変化を、『長禄二年以来申次記』『慈照院殿年中行事』『大舘記』などから検討するとともに、幕府が催す三毬杖や重陽の節句に散所が関与していく意味について、それは東寺領散所であると推考し分析した。
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