造形作品を制作するまたは批評する立場にある美術系の学生は, 作品の鑑賞または観察から多くを学ぶ.作品に対峙するとき, 主観的な印象のみをたよりに鑑賞してしまいがちであるけれども, 客観的な方法によって作品を読み解くことが必要である.絵画空間を客観的に観察する方法の一つとして, 実際に作図をして図法的に分析することができる.この発表では, 女子美術大学における専門科目『図形分析法』の授業内容を紹介する.この授業では, 図学的な視点によって, 絵画作品の構図および描かれた画面上の空間について分析・考察する.この方法は, 絵画批評の一つの方法に過ぎないが, 学生は自らが作図することによって, 絵画作品の新たな見た方をもつことができる.
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