他校に先駆けて専用HPを構築した東京の聖学院中学校・高校図書館では、1906年(明治39年)の創立以来の史料を、随時デジタルアーカイブ化して公開している。当初のねらいは、在校生、卒業生、教職員、また、将来本校に関わるすべての者に、建学の精神と本校教育活動の歴史を視覚的遺産として残すことを目的として始めた取り組みであった。しかし、次第にコンテンツ自体が反響を呼び始め、「未来と過去、人と人をつなげる媒介」に成長していった。本稿では、その経緯を省察すると同時に、今後のデジタルアーカイブの可能性について論考する。
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