本研究は, わが国の使用済み自動車 (End-of-Life Vehicles : ELV) の中古貨物車および部品としての輸出に関する定量情報を提供するとともに,
自動車排出ガス規制
がELV輸出を通じて輸出先の環境を悪化させる可能性を検討する。そこで, 1994年12月からの東京, 大阪都市圏を対象に実施された自動車NOx法の車種規制を例に, その中古貨物車および部品輸出へ及ぼす影響量を貿易統計より評価した。結果として, 1995年から1999年にかけ規制によって廃棄された規制対象車の約68%にあたる約435千tonが中古貨物車および部品として, 主にアジアや中南米といった途上国に輸出されていることを明らかにした。
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