本研究はC型慢性肝炎患者の疲労感とQOLを明らかにし,身体活動量や関連要因の検討を行った。C型慢性肝炎患者75名を対象に,疲労感尺度(FIS),肝疾患特異的QOL尺度(CLDQ)の質問紙調査と身体活動量を測定した。疲労感が強い者は身体領域の疲労が強く,病態の進行によりQOLが低下した。FIS,CLDQはともに有意な相関を示し,身体活動量は平均歩数6,479歩,運動量160±112 kcal/day,運動強度2.6±1.7 METs/dayであった。身体活動量は,3 METs未満が80%と運動強度は多くが低値を示した。関連要因は,「65歳以上群」「就業なし群」「Alb値3.8未満群」「Plt値13.1万未満群」がFISは高値を示し,CLDQは低値を示した(p< .05)。C型慢性肝炎患者では,疲労や病態の進行を考慮しながら身体活動を高めることが重要であることが示唆された。
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