本論では,ポーランドにおけるワークショップの実践を手掛かりに,美術による異文化間のコミュニケーションの可能性について考察を行う。ポーランドと日本の間での異文化理解の推進を目的として,日本の技法や材料を用いて制作を行うワークショップを行った結果,様々な国からポーランドに移住した人々が参加し,ともに制作を行い,結果的に多様な文化的背景をもつ人々の相互の文化理解を推進する場となった。本論では,活動を振り返り,検証を通して,美術活動が,多様な文化的背景をもつ人々の相互理解に有効であることを論証する。また,多文化共生社会化が進む日本における,美術を通した異文化理解の可能性についても論じる。
抄録全体を表示