塩化鉄(III)のような酸化重合触媒の光反応による酸化重合能力の変化を利用して形成される導電性ポリピロールパターン上に選択的に電気めっきする方法によって,基材表面に金属の精細なパターンを作製することができることを見いだした。この方法を利用すれば,エッチングやレジスト除去工程を不要とするばかりでなく金属はく張付基板を使用しない新規な金属電気回路基板の製造方法を構築することが可能となる。
ポリピロールパターン上への電気めっきは通常の電気めっき液を用いて行うことができた。しかし,ポリピロールパターンでは,金属表面への電気めっきとは異なり,電気めっき工程の間ポリピロールの表面に沿って銅めっきの成長が観察された。銅めっきの形成は,電極に近い部分から末端に向かってポリピロールの表面に沿って,めっき部分が時間とともに成長していく。著者らはこのめっきの成長機構についても考察した。
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