わが国における音楽科カリキュラムには,目標-内容-方法-評価間の構造的関連があまりみられない。カリキュラム研究が,本質的には,実践に根ざし,その成果を実践に還元すべきものであるならば,音楽科におけるカリキュラム研究もまた,教育現場の実態を把握することから始めなければならないと考える。筆者らは,山口県下の音楽科教諭287人を対象として,音楽科カリキュラム構成に関する調査を行った。本稿は,そのうち質問紙調査の結果について分析し,若干の考察を加えたものである。なお本稿においては,質問紙の前半部分に関する考察にとどめた。したがって質問紙全体に関する考察は順次本誌に発表の予定である。
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