本研究は、肢体不自由特別支援学校のティーム・ティーチングに着目し、教師の意思決定モデル(吉崎, 1988)を参考に、授業場面の意思決定過程を分析し、その結果を授業改善に活かすことを目的とした。2回の授業分析のうち、第1回は、授業のデザインと実態とのズレに対する各授業者の意思決定過程を明らかにし、授業者間の意思決定の特徴を分析した。 第2回は、分析結果に基づき授業者が効果的な意思決定を行うために授業を再デザインし、授業実施、分析を行った。第1回授業分析では、各授業者の意思決定が共有されないまま授業が展開されたことが明らかになり、授業を再デザインすることの必要性が示された。再デザインによって、授業者の意思決定を共有するための手段として授業者間での声かけが採用された。本研究は意思決定モデルの導入による授業改善の成果と位置づけられる。ティーム・ティーチングには多様な形態があることが想定される。今後異なる形態についても検討する必要がある。
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