現在、滋賀県草津市・栗東市域での草津川放水路事業に伴う草津川廃川跡地において滋賀県は、道路関連施設のみの整備を構想している。そこで、草津市では、道路関連施設用地以外の廃川跡地を一部滋賀県より買い取り、整備を行っていくこととなった。草津川廃川跡地の開発事業は、草津市の将来像に大きな影響を与えるものと考えられることから、草津市では、草津川廃川跡地における都市整備事業を実効性があり、より効果的なものにすることが求められている。
そこで、本研究では、多面的・多角的な観点からの総合的検討が必要な都市施設整備問題である草津川跡地問題に対し、実践的で合理的な計画案提示の可能性を示すことを目的する。その際に、草津川廃川跡地に導入を想定した都市施設において、廃川跡地に整備を行う都市施設の種類・配置・工事実施期間を決定するため、草津川廃川跡地利用構想のための最適化モデルを構築することとする。そして、開発を行った最適化モデルと財政シミュレーションモデルとを連動させ、各都市施設整備が及ぼす財政・社会面における影響を実証的に分析することによって実効性があり、効率的で効果的な計画案の提示を行うこととする。
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