60才および40才男の頬部に生じた木村氏病の2例について報告した。2例共組織学的に胚中心を伴うリンパ濾胞の形成, その周囲に多数の好酸球, リンパ球の浸潤をみとめた。螢光標識抗ヒトIgE抗体を用いた螢光抗体直接法でIgEを細胞質に保有するIgE産生細胞を多数検出した。血中IgEおよび好酸球は腫瘤の摘除手術後著明に低下した。カンジダエキスの皮内反応は即時型反応で1例が陽性であったが, 他の入院患者11例にも施行したところ7例に即時型反応陽1生であったので, 本症例1例にみとめられた陽性反応が木村氏病と因果関係を有するとは断定出来なかった。
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