都市ごみ焼却炉においてより安定した燃焼制御を実現するためには, 燃焼室へ送られるごみの発熱量の時間変化をリアルタイムに把握し, 燃焼空気量やストーカ速度を的確に操作する必要がある。
本研究ではごみホッパ内でのごみの圧密と移動を定式化し, ホッパ内のごみ体積, 投入ごみ質量, ごみの圧密特性, ごみの密度と低位発熱量の関係式から, ごみホッパ内および燃焼室へ送られているごみの状態を把握する計算モデルを考案した。さらに, 模擬ごみを用いてパイロットプラントにて本モデルを適用し, モデルの妥当性について検証した。ごみ密度にかかわらず, 画像から計算された体積, シュート内でのごみ移動体積, 実排出体積はよく一致していたことから, ホッパ内ごみの見かけ体積変化から供給ごみの体積を推定することは可能であると考えられた。また, ごみ供給質量については計算値は実測値よりもやや高い値を示したが, 良好な一致がみられ, ごみ供給推定モデルの妥当性が検証できた。
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