バンドネオンはボタンの鍵盤を持つバイソニック式(双音式)の
蛇腹楽器
であることを
標準としている。ドイツにおいて1920 年頃に標準的な仕様として位置づけられた「アイ
ンハイツ」式バンドネオンと、アルゼンチンタンゴの演奏において重要な楽器として認知
されてきた「ライニッシュ」式バンドネオンの二種が有名である。
バンドネオンを含めた編成の音楽を作曲する際、演奏における円滑な運指を行うために
蛇腹の開閉を具体的に指定することは有効であると考える。しかしその表記において現
在、地域性や作家性の影響より現れた様々な記号や標語が点在する。本稿ではそれらの表
記を並べて比較し、標準的な表記法として相応しい内容を探る。
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