本研究は,「ある土地において信仰上の重要な役割をもつ神社は,自然災害発生時においても安全性を担保しうる立地特性を有している」という仮説にもとづいて,和歌山県下の398社の神社を対象に,その自然災害リスクのポテンシャルを検証することを目的としている.GISを用いて,津波,河川氾濫,土砂災害のそれぞれのリスクと神社との立地の関係を分析した結果,和歌山の土地に深いルーツを持つイソタケル系神社,熊野系神社,王子系神社の多くは,自然災害に対してのリスク回避性が高い立地であることを明らかにした.
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