学習指導要領の改訂に伴い,小中高等学校段階を通じたプログラミング教育の充実がより一層図られることとなったことを受け,本稿では中学校数学科に焦点を絞り,Computational Thinking(CT)の育成を意図した教材の開発を行い,その教材を用いることで期待される生徒の活動について考察を行うことを目的とする.CTの育成を志向した教材として,本稿では与えられた自然数が素数か合成数かを判定する「素数判定」に着目した.そして,ビジュアルプログラミング言語であるScratchを用いること,一人一台端末という環境を前提にした上で,Study and Research Paths(SRP)に基づいた探究活動を促す最初の問いQ0として,「入力した数が『素数』か『合成数』かを判定するプログラムをつくろう」を設定した.そして,第一著者がこの問いに基づいた探究活動の過程を考察することで,上記で設定した最初の問いQ0が各種CT実践を生起させうることを明らかにした.
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