本研究は,ホームレス組織の組織行動による問題解決プロセスの質的調査を行った.多様な背景をもつホームレスが自発的に毎週の炊き出しに参加することで,コアメンバーが実現可能な解決策を提案するための情報が整理される.ホームレスの人々の都市生活に必要な情報は,問題解決の段階とコミュニティ構造での立場によって適切に抽出される.この仕組みで,参加メンバーの合理的なモティベーションがなくても適応的な活動を維持している.この結果は都市における社会的弱者のコミュニティでのエンパワメントと安定した活動に応用される.
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