自動走行フォワーダは同一箇所を繰り返し走行するため,操作者が搭乗する有人走行と比較して路面の形状変化がより顕著になる。路面の形状変化を抑えた有人走行の特徴を明らかにすることで,変形を抑えた繰り返し走行が可能となり,自動走行における省力化,低コスト化が実現する。そこで,フォワーダによる自動走行と有人走行によって周回走行路を繰り返し走行し,走行後の路面形状と各走行の特徴を明らかにした。その結果,どちらの走行でも路面の沈下量よりも旋回による土の盛り上がり量の方が多く,自動走行では曲線部で土の盛り上がりが特に顕著となった。有人走行では同一箇所の繰り返し走行を抑え,多くは前回の走行位置から左右どちらかに0.2 m以上の差がついていた。このような走行は変形した路面をならす効果があったと思われ,自動走行でも同様の制御によって走行することが路面変形の抑制に有効といえる。しかし,車幅の他に左右0.2 m以上の走行幅と,さらに安全性を考慮した余裕が必要となり,急傾斜地などではこのような幅員の確保が難しいこともある。一方で,幅員を大きくする代わりに車幅の小さな車両を使用することは,全体の生産性を下げることにつながる。
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