クーロン結晶とは,ダストプラズマ中に形成される粒子の規則的な配列のことである.地上では重力の影響を受け,結晶構造が大きく歪むため,微小重力環境の利用が極めて有効に作用する系である.クーロン結晶にも現実の結晶と同様に転位が発生し,かつ移動する.転位の移動には結晶温度,即ち粒子の運動エネルギーが大きな影響を与えると考えられることから,
速度分布関数
と二体分布関数の2つの方法を用いて結晶温度の推定を行った.その結果,前者では0.14eV,後者では0.29eVとなった.この結果は,
速度分布関数
法で0.2〜0.3eV程度とされる従来の値と合致している.
抄録全体を表示