スギ花粉の飛散開始日の予測は,花粉症患者のセルフケアやメディカルケアの開始時期を決定するために重要な情報である。しかし,花粉の飛散開始時期は気候の違いから地域によって異なる。青森県では1993年から2003年のデータ解析から,地域独自の方法を用いて花粉飛散開始日の予測を行ってきた。すなわち,1月21日を基準日にまた日最高気温の3°Cを基準温度と定めて,日最高気温が基準温度を超えた日数を有効日数,および基準温度を超えた温度の積算を有効積算温度として,それらが一定の日数と温度に達した時期に花粉の飛散が開始すると予測する方法である。しかし,近年になり予測と乖離する年があるようになったため,飛散開始日の予測精度向上を目的として,2004年から2016年のデータを用いて起算日および基準温度について再検討を行った。その結果,起算日は1月21日で基準温度4°Cが飛散開始日予測に最適な条件と考えられた。
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