我が国の社会基盤は,今後,急速に建設後50年の高齢化の時代を迎える.一方で我が国の社会情勢は,少子高齢化による人材(技術者)の不足や予算の不足が顕在化する時代となる.特に,四国地域のような社会環境の縮退が進みつつある地方圏においては,その両者の負荷は一段と厳しい.そのような社会基盤の脆弱性の増大をくい止めるためには,技術的な革新とともに,俯瞰的な視野から各自の専門や所属の立場を越えて地域の総力でもってマネジメントに取り組む体制とそれを担う人材を育成することが必要とされる.本論文は愛媛大学による「社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成講座」の構築について,5年間の試行によるカリキュラムの特徴と養成される四国MEの技術者像,その育成効果などを述べる.
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