スリット金型を流れるポリエチレン融液の応力分布を流動複屈折法により検討した。用いたスリットの長さと間げきの比は30で, 下流での等色線は流入部の影響がほとんどなく, 壁面とほぼ平行であった。その領域の壁面のずり応力τ
H/2, 単位光路長あたりのしま次数
nおよび消光角χから, 主ずり応力τ
p [=τ
H/2/sin2χ] と
nの関係を求め, その結果に基づいて金型流入部の応力集中と流入前後の応力変化を検討した。
nはτ
pと比例し, 流入部のスリット端で応力集中が観測された。その応力集中係数のずり速度依存性は認められず, 壁面のτ
pは流入後間もなくほぼ一定値に達する。しかし, 流路中心面上で, その値は出口まで明らかに減少する傾向があった。
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