多項目自動血球分析装置XE-5000による血小板数の報告は, 通常は電気抵抗法による測定値 (PLT-I) の報告であるが, 血小板低値領域で粒度分布曲線の異常を示す検体 (低値異常検体) では光学法による測定値 (PLT-O) に自動的に変更される。今回われわれは, 2012年1月から3月に当院を受診した患者の低値血小板検体を用い, PLT-IとPLT-Oを比較してXE-5000の有用性を検討した。双方ともに希釈直線性は良好であったが, 低値異常検体では同時再現性がPLT-IよりPLT-Oの方が高かった。視算法を対照とした相関性では, 共にr=0.889~0.984と高い相関性を示したが, 低値異常検体では, PLT-OがPLT-Iより相関係数が高かった。低値血小板を示す疾患では巨大血小板や破砕赤血球の出現を伴うことが多く, 低値域の測定に高い精度が求められる。低値異常検体において, PLT-OはPLT-Iより同時再現性および視算法との相関性が良好であり, 自動的かつ迅速にPLT-Oが報告されるXE-5000の有用性が示された。
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