「唯一の手織り中継ぎ畳表の職人から織機製作技術を継承」
動力中継織機の再生(修理・復元・改良)に注力した前課題に続き,本課題では手織中継織機の新規製作を実践する。いずれも備後地域発祥で,独自に発展,継承してきた「中継ぎ」という畳表の伝統的製織技法に着目したものである。備後表は,最高級と謳われながらその原料となる備後藺草はほとんど栽培されておらず,継承の危機にある。備後地域独自の「中継ぎ」の製織技術は,これを継承するための鍵となる。唯一の手織中継職人であり,手織織機製作技術もただ一人継承する来山淳平氏による織機製作工程を現地調査して記録し,2次元詳細図や3次元組立図,3DCGなどの製作図を作成して,織機製作と製織技術の一部を継承した。
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