この度本誌の下遠野邦忠編集委員長より
随筆
の執筆を依頼された. 思えば5年前 (1996) に当時の西山幸廣編集委員長より第1回の
随筆
の執筆を依頼され, たまたまその年がジェンナーによる種痘発明200年という記念すべき年でもあり, ジェンナーを巡る随想を述べた. 最初の
随筆
ということもあり可成緊張して執筆した思い出がある.
今回の依頼は来年第50回の日本ウイルス学会を迎えるにあたり, 第1回よりの日本ウイルス学会を知る者としての
随筆
を期待されたようである. その構想に取り組み始めてから間もなく, かねてより憂慮していた生物兵器を用いるテロが米国で現実のものとなった. 特に痘そうの脅威を知る者として半世紀前の思い出に浸っている場合ではなくなったが, 敢えて回顧録とともに後半痘そうウイルステロの脅威に対する警告文としたい.
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