北海道は冬の期間が長く, 面積も広いために雪氷寒冷災害の種類や原因は多岐にわたる.そこで今後の有効な雪氷寒冷災害の対策や利雪 (寒) の方法を探る前段階として道内212市町村に対してアンケートを出し, 雪氷寒冷災害の現状を調査した.その結果, 1) 災害対策費にはっきりとした地域性が現われ, 積雪の多い日本海側で多く, 太平洋側では少ない.2) 雪氷寒冷災害の内.道路障害が最も多く (94.7%), 次いで家庭被害 (80.0%), 学校被害 (71.2%), 農作物被害 (61.8%), 鉄道障害 (58.8%), 道路破損 (54.1%) であり, その原因の主なものは吹雪や吹き溜り, 集中豪雪, 異常低温である.3) 一方, 災害対策の主なものは除排雪であり, その他防風融雪促進, 路面滑り防止等がある.4) 利雪 (寒) の現状は, 雪 (氷) 祭り, 及びスキー (スケート)等の観光資源としての活用が主なものである.さらに規模は小さいが, 農業用, 工業用の水資源としての利用や, 農作物保存のための冷熱源としての利用もみられる.
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