安城更生病院は723床の急性期病院である。当院が発行する文書は月に3,500件を超え,医師にとっては慢性的な大きな負担となっている。当院では電子カルテを採用しており,約半数の文書は電子化されているが,残りの半数は手書きでの対応を余儀なくされている。
医師の文書作成の負担軽減策として診断書作成支援ソフトを導入する事とした。このソフトの特徴としては以下の通りである。
(1) 約600の様式がフォーマット。
(2) 患者属性等の基本情報を自動入力。
(3) 電子カルテ・医事システムとの病名,入退院日,手術名等の連携。
(4) 前回の入力内容や電子カルテの記載内容をコピーする引用機能。
この様な機能により繰り返し記載をする介護保険の主治医意見書や複数の依頼が来る生命保険の診断書等を記載するには非常に効率的である。
平成20年4月の診療報酬改訂により医師の事務作業補助に対して点数が付与された事も追い風になり,文書作成補助の事務員を専属で5名を配置した。文書作成補助者は入退院日や手術術式等,医師で無くても記載出来る部分を全て下書き入力し,医師はその確認と空白部分への入力のみの業務となる。
医師事務作業補助者と文書作成支援システムの導入により完成日数に関しては導入前の11.2日から導入後7.2日と約4日間短縮された。導入半年後に取った医師の負担軽減へのアンケートでは8割以上の医師において文書作成の負担が軽減された結果が得られた。
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