近年の低成長期において価格競争が激化し,単一のコスト変動要因にのみに着目して,限界利益のみを見る経営が困難になりつつある.また,市場環境の変化に対して製品のコストや損益がどのように変化するかを迅速に把握する必要がある.本研究ではプロセスモデリングをコスト計算に応用し,市場環境の変化に即応して,製品のコストや損益を構造的かつ詳細に把握できるコスト管理方法を提案する. プロセスモデルでは,コスト変動要因毎に,トランザクションと呼ぶアクティビティの集合を定義する.そして材料費,設備費などのコストをアクティビティ毎に把握する.そしてプロセスモデルをコスト構造マトリックスに変換し,市場環境変化を与えたときのコストと損益の算出方法を明らかにする.これにより経営状況の変化に対応でき,数値的な根拠を意思決定の際に与えるコスト管理モデルを提供する.
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