背景:
青年
期胆道閉鎖症(BA)に対する肝移植は適応とドナー選択に難渋し予後不良である。今回当科のBAに対する肝移植を検討した。
方法:対象は2020年12月までに生体肝移植を施行したBA 227例中
青年
期例の27例。移植時年齢は中央値14.2才(12.0-26.3才)、観察期間は8.5年(0.0-17.2年)。
結果:
青年
期BAと非
青年
期BAの移植適応は、非代償性肝硬変15例と123例、難治性胆管炎6例と32例、門脈圧亢進症5例と44例、肝肺症候群1例と0例、成長障害0例と1例。
青年
期BAは有意に高齢ドナーかつグラフトは小さく(p<0.001)、長時間手術であった(p<0.001)。
青年
期BAと非
青年
期BAの15年グラフト生存率は95.3%と86.0%(p=0.013)。
青年
期BAのグラフト不全の原因は難治性拒絶反応2例、消化管穿孔1例、敗血症1例。難治性拒絶反応2例の服薬アドヒアランス不良で、移植後15年と8年時に生体再肝移植を施行。非
青年
期BAのグラフト不全の原因は難治性拒絶反応4例、急性脳炎2例、消化管穿孔1例、脳出血1例、肝静脈閉塞1例。難治性拒絶反応4例の服薬アドヒアランスは良好で、移植後2年、7カ月、5年、2年時に生体再肝移植を施行。
結語:
青年
期BAの移植適応は非
青年
期BAと同様であるが、高齢ドナーかつグラフトは小さく、服薬アドヒアランス不良が関連してグラフト予後が劣る。脳死肝移植数の増加や適応拡大、将来的な肝移植適応を予測できるバイオマーカーの確立、継続的な服薬指導が求められる。
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