現在、日本の小学校低学年の音楽の授業では、一般的に鍵盤ハーモニカが用いられている。 この楽器を用いた小学校低学年の指導に関する今目的課題を明らかにするために、奥田(2017)は、現在、教育の現場で扱われている教材、先行事例、この楽器の専門家の見解をもとに考察を行ったが、一定の方向性を見出せなかった。そのため、実践的な指導法の開発とともに、その内容が小学校低学年にとって妥当な指導で、あるかを明らかにするために、学術的な根拠を示す必要があると結論づけた。しかしながら、奥田(2017) も、学術的な根拠を示す検証などを行うには至っていない。そこで、本研究では、小学校低学年の鍵盤ハーモニカの学習において、指番号を用いて運指を指導するための学習プロセスを構築した。そして、これを用いたパイロット研究として授業実践を行った。次に授業実践から得られたデータを統計的手法で分析するなどし、これに関する有用性を検証した。
抄録全体を表示