本研究は、地熱発電開発に係る問題の全体構造と利害関係者間の認知ギャップから、地域共生と相互理解に資する方策を明らかにすることを目的とする。関係者へのヒアリング調査、文献調査を実施した結果、利害関係者間には様々なリスク・便益認知ギャップを明らかにした。温泉へのリスクの懸念への対応には、万一影響があった場合のリスク対策オプションを情報共有・協議し、相互理解と信頼関係の向上が必要である。地域共生の必須要件としては、温泉事業など地域固有の状況と公平性を十分考慮した上での開発が重要と考えられた。
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