「教育相談」とは心理臨床家による非日常的な心理臨床活動を指す場合と,学校の教員による日常的な教
育活動を指す場合とがあるが,「教育相談研修」の場では,前者の意味での「教育相談」を講じる講師(心理臨
床家)と後者の意味での「教育相談」を期待する参加者(教員)との間でコミュニケーションのズレが生じる
ことが少なくない。この現状を改善するために,本研究ではソリューション・フォーカスト・アプローチの
視座に立ち,講師が「正しい」やり方を教えるのではなく,教員を「教育相談」の専門家として尊重し,彼ら
のリソースを喚起する研修プログラムについて提案した。参加者の感想や心理測定尺度の結果から,本研
修は参加者である教員の教育相談に関する自己効力感を向上させることが示された。
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