本研究では,心理臨床において日本語版SPARKレジリエンス・プログラムを活用するという臨床的介入の可能性について検討した。女子高生に対するカウンセリングと,小学生男児に対する心理教育的アプローチのなかでプログラムを取り入れた。前者では,それまでの面接で明らかになったクライエントのリソースや強みへの認識を高める可能性が示された。後者では受験の失敗や対人トラブルといった逆境を乗り越える一助となり,家族システムにも肯定的な変化をもたらす可能性が示された。2事例を通して,クライエントの主体的な力を引き出すことや,レジリエンスについての学びと実生活での変化を紐づけられるという臨床的介入の可能性が示唆された。
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