詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "鬼押ハイウェー"
4件中 1-4の結果を表示しています
  • 石川 芳治, 中村 浩之
    砂防学会誌
    2004年 57 巻 4 号 81-81_1
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 鶴巻 和芳
    砂防学会誌
    2004年 57 巻 4 号 82-83_1
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 1.低温異常を示す鬼押出し末端湧水群
    鈴木 秀和
    日本水文科学会誌
    2011年 41 巻 1 号 21-26
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/27
    ジャーナル フリー
  • 創出された災害の記憶の場所
    *大浦 瑞代
    日本地理学会発表要旨集
    2008年 2008f 巻 426
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/11/14
    会議録・要旨集 フリー
     1783年の浅間山噴火災害に関連する石造物の分布や銘文等を調査した結果,1982年(二百回忌)以降に新たな石造物が付加される場所では,供養祭がおこなわれていることが明らかになった。(大浦2005,大浦2006)。石造物の多くは地域住民によって造られ,所在地を変えることなく存在している。その一方で,地域外の者によって造られたり他所から移設されたりして,観光資源として利用されるものもある。そこで本発表では,観光地化された鬼押出しの開発と現在おこなわれている供養祭の実態から,災害の記憶の場所が創出される過程を考察する。
     1783年の浅間山噴火で流出した鬼押出し溶岩は“溶岩の芸術”と評され,世界三大奇勝の1つに挙げられている。その鬼押出し溶岩の広がる一帯から六里ヶ原にかけての土地が,1920年に堤康次郎(西武グループ創業者・政治家)へ払い下げられた。堤は1917年に長野県東長倉村沓掛区有地(現,軽井沢町長倉)を購入して以降,浅間山麓に次々と別荘地を開発していた。道路や路線バス等を整備し,1933年に有料自動車専用道路(現,浅間白根火山ルート
    鬼押ハイウェー
    )を開通させると,1935年8月には鬼押出しへ岩窟ホールを建設し,1951年7月に鬼押出し園を開業した。そして1958年5月25日に,園内に東叡山寛永寺別院浅間山観音堂を創建し,寛永寺伝来の聖観世音菩薩を本尊として遷座した。その遷座式に合わせて噴火犠牲者を弔う法要が営まれ,以後10年ごとに大法要がおこなわれている。2008年5月20日には50周年慶讃大法要が執行された。
     園内には4つの遊歩道が設けられ,その全てが浅間山観音堂へ至るように整備されている。境内や遊歩道にある鐘楼・水盤舎・供養塔・炎観音等は新たに建立されたが,石燈篭・惣門・二天尊像(持国天,増長天)・大寺標は寛永寺から移設・移築された。他所から移されたもののうち,浅間噴火記念碑(大笹駅浅間碑・蜀山人の浅間やけ碑とも)は唯一鬼押出し近辺から移設されたもので,注目に値する。
     この碑は群馬県嬬恋村指定史跡であり,大笹村(現,嬬恋村大笹地区)の名主兼問屋であった黒岩長左衛門大栄が,蜀山人(大田南畝・四方赤良とも)に撰文と揮毫を依頼し,大栄の子が1816年に造立したものである。大笹村は噴火の被害があまりなかったため,大栄は近隣の人々の救済に奔走した。碑に刻まれた噴火と被害の概略や後世への戒めは,災害の記憶を伝えるものと受け取ることができよう。
     浅間山観音堂では近年,毎年7月8日に天明供養祭がおこなわれるようになった。この供養祭では観音堂輪番らによる観音経読経等のほか,嬬恋村鎌原地区の念仏講(和讃会)によって「浅間山噴火大和讃」と「鎌原八番観世音御詠歌」が詠われる。
     鎌原村は噴火により甚大な被害を受け,寛永寺末寺の延命寺も埋没した。しかし観音堂へ逃げた人々は助かり,近隣の篤志家らに支えられ村を復興した。県の史跡に指定された鎌原観音堂境内で毎年8月5日におこなわれる供養祭では,天明供養祭と同じ和讃と御詠歌が詠われている。
     鬼押出し園は由緒あるものを園内に多数設けることで,災害を伝える観光地となった。園の中心的存在である浅間山観音堂は,その象徴的な場所である。そこでおこなわれる供養祭は,災害の記憶を呼び起す機能を果たしていると捉えられよう。

    〔文献〕
    ・大浦瑞代2005.天明3年浅間山噴火災害の記憶の場所―石造物造立と供養祭―.日本地理学会発表要旨集67.162.
    ・大浦瑞代2006.石造物にみる災害の記憶.1783天明浅間山噴火報告書.中央防災会議 災害教訓の継承に関する専門調査会.161-169・177-180・付録CD.
feedback
Top