本研究の目的は,子どもの幼稚園入園に伴い,母親が保育者と関わるプロセスを母親側の視点から記述することである。さらに,「母親をする」プロセスにとって,保育者との関わりはどのような意味があるかを明らかにすることを目的とする。方法は,母親18名を対象としたインタビュー調査であり,M-GTAを用いて分析した。その結果,保育者との関わりが深まるプロセスの中で,母親は保育者を意味付けると同時に,母親である自分自身を捉え直し,再構築していた。従って,子どもの幼稚園入園に伴い,保育者と出会い,関わりが深まる経験は,「母親をする」プロセスにおいて一つの分岐点であると考えられた。
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