キャピラリーバリア(以下,CBと記す)は,廃棄物最終処分場閉鎖時の降雨浸透制御を図るための覆土として採用されている。また,盛土式極低レベル放射性廃棄物処分施設や中間貯蔵施設等の覆土としても適用が検討されている。しかし,CBの施工事例は比較的少なく,CBを構成する相対的に細粒な土層とその下部の相対的に粗粒な土層に適した各材料については明らかにされているとは言い難い。特に,細粒な土は,CBの限界長に大きな影響を及ぼす可能性が高く,限界長を最長化するために適した細粒な土を明確にしておくことは重要である。本論文は,Ross-Steenhuisの限界長推定式を基に,限界長を最長化するために適した細粒な土を選定するための判断材料の1つとして材料特性(透水性,保水性)を明らかにした。また,限界長を最長化するために適した材料特性(透水性,保水性)を有する細粒な土を用いて大型土槽実験を行い,実験結果を基に選定した細粒な土の材料特性(透水性,保水性)の妥当性を実証した。加えて,限界長測定値をRoss-Steenhuisの推定式による限界長と比較検討し推定式の適用性を明らかにした。
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