我が国の水管理技術は時代とともに変遷してきた。こうした水管理技術について,これまで江戸時代から平成時代に至るまでの経過や動向を,5 回(水利科学No.358,359,361,370,371)にわたって時系列的に考察してきた。その結果,当時すぐれた様々な水管理技術があり,現代でも有効な考え方や技術があったことが分かった。これらを受けて,今後社会・経済情勢や技術の変化に対して,水管理技術はどうあるべきかについて述べていきたい。特に,本報では近年各地で台風などによる激甚な水害被害が頻発していることに鑑み,水害被害の特徴,治水技術(施設対応,ソフト対策)の方向性について考察してゆく。
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