中度・重度の知的障害を持っ人の作業訓練を進める際、注意の集中ができず安定した遂行が難しい、目的意識を持つことが難しい人がいる。神奈川県総合リハビリテーションセンターではこのような人に対して、TEACCHを応用し「いつ」「どこで」「何をどれくらい」に関する情報を視覚的に提示している。さらに作業が終了した際には「その結果どうなるのか」の情報についても作業開始前に提示している。本稿は「その結果どうなるのか」を示す手法の一つ、チェック表を活用した効果を検討している。チェック表とは訓練課題を終了した際に、課題の達成度、達成した結果どうなるのか、職員からの評価を視覚的に示すものである。事例を考察した結果、(1) 自信付けに繋がる、(2) 適切な行動が引き出せることが示唆された。また、これまでの実践の検討では (1) 能力開発に寄与している、(2) 肯定的な関わりが持てる、(3) チームとしての援助が可能であることが示唆された。
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