2 種類の主要アントシアニン(色素
1 と
2)が青色花弁のネモフィラ(
Nemophila menziesii ‘Insignis blue’)およびその変異系統の紫色花弁から検出された.これら 2 種類のアントシアニンを青色花弁から単離し,化学およびスペクトル分析による構造解析を行った結果,ペチュニジン 3-
O-[6-
O-(シス-
p- クマロイル)-β- グルコピラノシド]-5-
O-[6-
O-(マロニル)-β- グルコピラノシド](色素
1)とペチュニジン 3-
O-[6-
O-(トランス-
p- クマロイル)-β- グルコピラノシド]-5-
O-[6-
O-(マロニル)-β- グルコピラノシド](色素
2)であり,色素
1 は新規化合物であった.さらに,2 種類の主要フラボノール配糖体(色素
3 と
5)と 2 種類の主要フラボン配糖体(色素
4 と
6)も青色花弁から単離され,ケンフェロール 3-(6- ラムノシル)- グルコシド-7- グルコシド(色素
3),アピゲニン 7,4′- ジグルコシド(色素
4),ケンフェロール3-(2,6- ジラムノシル)- グルコシド(色素
5),そしてアピゲニン 7- グルコシド-4′-(6- マロニル)- グルコシド(色素
6)と同定された.これら 4 種類のフラボノイドの内,色素
4 と
6 は紫色花弁からは検出されなかったことから,これらの違いにより花色が異なることが示唆された.
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