日本において貸金業法が2006 年に改正されて以降、ヤミ金融の事犯が表面化される機会が減ったように見受けられる。しかし、警察がヤミ金融を摘発した事件は一定の件数で推移する一方で、それら事件を伝えるマスコミの報道によると、最近のヤミ金融事犯は摘発を逃れるための巧妙さを増している。
こうした状況下で、新型コロナ禍により世界経済は本年3 月頃から一斉に委縮し、日本の景気も一気に悪化へと転じた。マスコミも新型コロナ禍の経済状況下で違法な金融取引による被害が拡大していると報じている。
そこで今回、新型コロナ禍における違法性の高い融資取引として、二者間ファクタリングとSNS 上の個人間融資という2つに注目して、その実態を検証した。分析結果からは、中小企業向けの二者間ファクタリングはその取引を減少させている一方で、SNS 上の個人間融資は経済活動が再開し始めた5 月以降に活発化している可能性が示唆された。
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