WWWシステムで広く用いられているプロキシ技術を適用することにより,システムに大きな負荷を与えることなく,実時間で応答性の高い動画像ストリーミングサービスが実現できると考えられる.さらに,プロキシで蓄積データを適切に品質調整することにより,ネットワークヘの接続形態,システム性能,再生動画像に対するユーザの好みなどによりさまざまに異なる要求品質に合わせた動画像配信が実現可能である.我々の研究グループでは,動画像品質調整機能を有するプロキシが通信状態やユーザの要求品質を考慮して,適切に動画像データを取得,蓄積,品質調整,転送するシステムのための効果的なプロキシキャッシング機構を検討している.本稿では,提案手法を実システムヘ実装し,処理遅延,再生動画像品質,トラヒック量などの観点から評価を行った.その結果,提案手法を用いることで,利用可能な帯域にあわせて,実時間で動画像品質調整を行う動画像配信が提供可能であることを示した.
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