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(National Family Research'
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) の共同分析作業の結果を通観し, 主要な成果として, (1) 家族形成のライフコース分析, (2) 夫婦関係, (3) 親子関係, (4) 家族認知に絞って結果の概要を紹介した。そのうえで, 多様な分析の可能性について以下の6つの領域をあげて, 留意点を含めてコメントした。すなわち, (1) ライフコースの視点, (2) 関係レベルの分析, (3) 家族認知の視点, (4) ジェンダーと職業・階層の視点, (5) ネットワークおよび地域変数国際比較の視点, (6) データの再点検と調査方法の再検討, である。
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のデータは, すでに公開利用の手順に乗っており, 今後, 広い範囲の研究者によって, 日本の家族の現状が解明されていくだろう。さらに, 2003年に予定される第2回調査の実施もすでに準備段階に入っており, 家族研究は新しい道を開いていくことになると期待されるのである。
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