本研究の目的は診療所に勤務する看護師の糖尿病患者に対する療養支援の実態を明らかにすることである。近畿圏内の診療所の看護師を対象に糖尿病患者への療養支援について質問した。知識提供について,自己注射に関する技術や低血糖の対処に関する知識提供は実践されているが,合併症の早期発見や予防に関する知識提供は不十分であった。かかわり方については,糖尿病患者に対し,患者が安心して話せる関係つくりと患者の感情を受け止め承認するかかわりを行っていた。また,診療所の看護師の療養支援は,看護師の自己学習,糖尿病看護に関する経験,資格取得と関連していた。今後の課題として,診療所に通院する糖尿病患者に対し,合併症のリスクを回避する知識の提供と,目標設定をするためのかかわりが必要であり,看護師自らが学習や患者指導,資格取得をする機会を得られれば,患者への療養支援の実践につながる可能性があることが示唆された。
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