【目的】短時間で実施できる単純な複合運動による非特異的腰痛軽減への即時的効果を検証すること. 【方法】対象は製造業で勤務する非特異的腰痛を有する男性61 名である.3 分間の運動は,ハムストリングスのストレッチ,腰椎の前後屈,側屈,回旋を伴った運動の2 つのプログラムで構成された.腰痛が継続して3 ヶ月未満の者を非慢性群(21 名),3 ヶ月以上腰痛が続いている者を慢性群(40 名)として分類した.運動プログラムを実施した前後の腰痛の程度をNumerical Rating Scale (NRS)で評価した. 【結果】運動前後の腰痛は,非慢性群で2.0±1.0 点から1.2±1.2 点,慢性群は3.1±1.6 点から2.3±1.6 点と両群ともに運動プログラム実施後にNRS の有意な低下を認めた(p<0.01). 【結論】短時間の単純な複合運動は,男性勤労者の非特異的腰痛を軽減させることが可能であった.この運動プログラムは勤労者の腰痛予防対策に有効かもしれない.
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