抄録
中性子経済に優れる高速増殖炉(FBR)は、使用済燃料中のマイナーアクチニド核種(MA)を燃料としてリサイクルすることにより、効果的に環境負荷を低減するポテンシャルを有している。本研究では軽水炉使用済燃料中に大量に蓄積するアメリシウム(Am)を中心としたマイナーアクチニド(MA)をFBRでリサイクルする方式として、小規模のMA燃料製造システムで製造する高濃度Am含有燃料(以下Amターゲット)の非均質装荷炉心概念を構築した。核特性及び核変換特性の観点から、内側炉心と外側炉心の間にリング状にAmターゲットを装荷する方法を選択した。AmターゲットにおけるHe生成量増加に対しては、被覆管肉厚の増加で対応し、ドライバー燃料と比較して低く制限されるAmターゲットの許容線出力に対しては、細径ピンの採用で対応した。さらに、ターゲット燃料ピンをドライバー燃料と同じ太径に保った経済性追求型の装荷オプションについても検討した。