日本消化器内視鏡学会雑誌
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消化器内視鏡検査とB型肝炎ウイルス(HBV)感染の関連について(第1報)
春日井 達造吉井 由利四方 淳一中村 孝司原 義雄田島 強大井 至並木 正義山崎 裕之西岡 久寿彌津田 文男小黒 八七郎平山 雄林 貴雄加藤 秀雄
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1985 年 27 巻 12 号 p. 2727-2733

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抄録

 日本消化器内視鏡学会消毒委員会は1977年10月から1979年4月の間に全国5施設において消化器内視鏡検査にもとずくB型肝炎ウイルス(HBV)感染の有無に関するprospective studyを実施した. 6カ月間にわたりfollow-upが可能であった273例中,内視鏡検査前HBs抗原及び抗体共に陰性であったものは189例であった.これら189例中検査後6カ月間のfollow-up中にHBs抗原陽転は1例,HBs抗体陽転は15例で,HBV感染があったと見なされたものは189例中16例で、HBV感染率は8.5%であった. HBs抗原陽転例は,内視鏡検査4カ月後の採血において一過性陽性で,HBs抗体は常に陰性,肝機能正常で以後追跡された3年間肝炎の発症をみていない.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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