1999 年 41 巻 9 号 p. 2097-2103
症例は52歳女性.右側腹部痛,褐色尿,黄疸があり来院.CTで膵頭部と膵胆管の共通管に結石があり,主膵管と総胆管の拡張を伴っていた.膵石の乳頭部嵌頓による閉塞性黄疸と診断した.内視鏡的に乳頭膨大部切開術を施行し,最大径10mmの白色結石(炭酸カルシウム結石)を除去した.除去後のERCP所見上,総胆管内に結石像はなかった.残存した膵石に対しESWLを行い,完全截石が得られた.術後経過良好であり,嵌頓膵石による閉塞性黄疸にも積極的に内視鏡治療を行うべきと考えた.